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住宅改修における漆喰のひび割れ問題!原因と対策を解説
2025.06.26
コラム

古くから日本の建築文化を支えてきた漆喰。
その美しい白さと、優れた調湿性・耐久性から、現代でも多くの建物で活用されています。
しかし、年月が経つにつれ、漆喰の壁に気になるひび割れを発見することもあるでしょう。
放置すれば雨漏りや建物の劣化につながる可能性もあります。
今回は、漆喰のひび割れの原因と、その予防・対策について解説します。
漆喰がひび割れする原因
乾燥収縮によるひび割れ
漆喰は乾燥する過程で収縮します。
この収縮が大きすぎると、ひび割れが発生します。
特に、施工面積が広い壁や、厚塗りされた箇所では、乾燥速度が不均一になりやすく、ひび割れのリスクが高まります。
施工時の塗り厚を適切に管理し、乾燥速度を調整することが重要です。
また、漆喰専用の下地材を使用することで、下地からの吸水調整を行い、乾燥速度をコントロールすることも有効です。
躯体からの構造亀裂
建物の躯体自体に亀裂が生じている場合、その動きに漆喰が追随できず、ひび割れが発生します。
これは、漆喰の施工方法に問題がない場合でも起こりうるため、注意が必要です。
躯体の動きを抑制する対策として、建物の構造的な補強工事が必要になるケースもあります。
石膏ボードの二重貼りや、ビス間隔の調整なども有効な手段です。
凍害によるひび割れ
冬場の施工や、凍結・融解を繰り返す環境下では、漆喰内部の水が凍結し、体積膨張によってひび割れが発生する可能性があります。
特に、寒冷地では注意が必要です。
凍害対策としては、冬期の施工を避ける、または凍結防止剤を使用するなどの方法があります。
また、適切な養生を行うことで、凍害による被害を軽減できます。
地震によるひび割れ
地震などの大きな振動によって、漆喰に衝撃力が加わりひび割れが生じます。
これは、建物の構造や地震の規模にも依存します。
地震対策としては、建物の耐震性を高めることが重要です。
漆喰自体は地震による衝撃を吸収する能力は低いので、建物の構造的な対策が不可欠です。
その他の原因
上記以外にも、材料の配合不良、施工不良、経年劣化など、様々な原因が考えられます。
材料の品質、施工技術、適切なメンテナンスを徹底することで、ひび割れの発生を抑制することができます。
例えば、材料の配合を適切に行う、練り置き時間を十分にとるなどの工夫が必要です。

漆喰のひび割れを防ぐ方法
乾燥収縮対策
適切な塗り厚で施工すること、複数人で作業を行うこと、漆喰専用の下地材を使用することが重要です。
また、夏場の施工では直射日光を避け、シートなどで養生することで急激な乾燥を防ぎます。
構造亀裂対策
建物の構造的な問題が原因の場合は、専門の施工会社に相談し、適切な補強工事を行っていただく必要があります。
事前に建物の状態を把握し、必要に応じて対策を講じることで、ひび割れの発生を防ぐことができます。
凍害対策
冬期の施工は避け、凍結防止剤の使用や適切な養生を行うことが重要です。
寒冷地での施工では、特に注意が必要です。
地震対策
建物の耐震性を高めることが重要です。
漆喰自体では地震対策は困難なため、建物の構造設計段階から耐震性を考慮することが必要です。
適切な施工方法
熟練した職人の技術による丁寧な施工が重要です。
下地調整、塗り方、養生など、各工程を適切に行うことで、ひび割れを最小限に抑えることができます。
まとめ
漆喰のひび割れは、乾燥収縮、躯体からの構造亀裂、凍害、地震など、様々な原因によって発生します。
それぞれの原因に対して適切な予防策・対処法を講じることで、ひび割れの発生を抑制し、建物の寿命を延ばすことができます。
また、定期的な点検・メンテナンスも重要です。
ひび割れを発見した場合は、すぐに適切な対応を行うことが大切です。
建物の状況に合わせて適切な対策を講じることで、美しい漆喰の壁を長く保ちましょう。
当社では、業界最高レベルの工事品質基準に則った塗装工事を実施いたします。
大東市周辺で漆喰についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。