2025年07月18日
外壁塗装を検討している方へ!おすすめの色をご紹介します!
ブログBlog
建物の防水層は、日々降り注ぐ雨や強い日差し、温度変化といった過酷な環境に耐えながら、構造躯体を水分の浸入から守る重要な役割を担っています。
しかし、外観からは見えにくい防水層の下で、知らぬ間に「膨れ」が発生していることがあります。
この膨れは単なる見た目の問題にとどまらず、防水層の性能を低下させ、将来的な雨漏りへと繋がるサインとなる可能性も否定できません。
一体、防水層の下で何が起こり、なぜ膨れが生じるのでしょうか。
そして、その膨れを未然に防ぐために、脱気筒という部材がどのような働きをしているのか、そのメカニズムと重要性について詳しく解説していきます。
防水層の膨れは、主に防水層の下に閉じ込められた水蒸気が原因で発生します。
建築工事の際、コンクリートや木材などの建材に含まれていた水分、あるいは施工後に雨水や結露として浸入した水分が、防水層によって蓋をされる形で防水層下に留まることがあります。
日中、太陽光によって屋根や床などの表面温度が上昇すると、防水層下の水分は熱せられて水蒸気へと変化します。
この水蒸気は、気体であるため体積が大きく膨張しようとする性質を持っています。
防水層がこの膨張する水蒸気の圧力に耐えきれなくなると、防水層自体が押し上げられ、ドーム状に膨らんだ状態となるのです。
特に、夏場などの高温になる時期や、日射の影響を強く受ける箇所では、この水蒸気の発生と膨張が顕著になり、膨れが発生しやすくなります。
脱気筒は、上述した防水層下の水蒸気を効率的に外部へ排出するために設置される、通気機能を持つ部材です。
防水層に穴を開け、その穴を通して塩ビ製のパイプなどを立ち上げ、その先端にキャップのようなものが取り付けられた構造をしています。
このキャップ部分には通常、雨水などが浸入しないように工夫された通気孔が設けられており、外部と通気できるようになっています。
防水層下で発生した水蒸気は、この脱気筒のパイプを通って、気圧の低い外気へと自然に放出されます。
これにより、防水層下に水蒸気が滞留して圧力が高まることを防ぎ、防水層が水蒸気の力で押し上げられる「膨れ」の発生を抑制するのです。
脱気筒は、防水層の内部環境を適切に保ち、その耐久性を維持するために不可欠な役割を果たしています。
防水層に発生した膨れを放置することは、建物の防水性能を著しく低下させ、将来的な雨漏りのリスクを増大させます。
膨れによって防水層が持ち上がると、その表面には常に大きな力がかかり続け、ひび割れや破断が生じやすくなります。
特に、膨れが大きい箇所や、経年劣化が進んでいる箇所では、防水層が脆弱になっているため、わずかな衝撃や伸縮でも容易に損傷する可能性があります。
一度防水層に亀裂や穴が生じると、そこから雨水が浸入し始め、防水層の下の断熱材や構造材、さらには室内の天井や壁へと達して、深刻な雨漏りへと発展する危険性が高まります。
雨漏りは建材の腐食やカビの発生を招き、建物の寿命を縮めるだけでなく、居住環境にも悪影響を及ぼすため、膨れは早期の段階で適切に対処することが極めて重要です。

脱気筒の素材選定は、建物の防水工法との適合性を考慮することが重要です。
例えば、アスファルト防水工法では、熱に強く耐久性の高い塩化ビニル樹脂(塩ビ)製の脱気筒が一般的に用いられます。
シート防水工法の場合、防水シートの材質(ゴム系、塩ビ系など)に合わせて、同様の素材または互換性のある素材で作られた脱気筒が選ばれます。
ウレタン防水工法では、ウレタン樹脂との密着性が高い素材や、柔軟性のある脱気筒が適している場合があります。
それぞれの防水材の特性や、施工方法、さらに設置される環境(紫外線暴露量、温度変化など)を考慮し、長期にわたって防水層との一体性を保ち、効果的に水蒸気を排出できる素材を選ぶことが、脱気筒の性能を最大限に引き出す鍵となります。
脱気筒の効果を最大限に発揮させるためには、水蒸気が溜まりやすく、膨れが発生しやすい箇所に戦略的に配置することが求められます。
一般的には、屋上や陸屋根の平坦な部分、特に水勾配が緩やかで水が溜まりやすい箇所や、建物の角、壁際などが挙げられます。
また、構造的に熱がこもりやすい場所や、日射の影響を強く受ける箇所も、水蒸気の発生源となり得るため、設置を検討すべきエリアとなります。
建物の形状や勾配、排水設備の配置なども考慮し、全体的な水蒸気の流れを把握した上で、効果的な換気が行えるように、複数箇所に分散して設置することが望ましい場合もあります。
専門家による現地調査に基づき、建物の特性に合わせた最適な設置計画を立てることが重要です。
脱気筒の設置にあたっては、その機能を発揮させるためのいくつかの注意点があります。
まず、脱気筒を設置する防水層には、水蒸気がスムーズに脱気筒へ流入できるように、適切な大きさの穴を開ける必要があります。
そして、その穴と脱気筒本体、および周囲の防水層との接合部を、雨水が浸入しないように確実にシール処理することが極めて重要です。
シーリング材の選定や施工方法によっては、早期に劣化して雨水の浸入口となる可能性があるため、十分な注意が必要です。
また、脱気筒自体が、強風や鳥のいたずらなどで破損しないよう、しっかりと固定することも大切です。
さらに、脱気筒の通気孔が落ち葉やゴミなどで詰まると、通気機能が著しく低下するため、定期的な清掃と点検を行い、常に良好な状態を維持することが、長期的な防水性能の確保に繋がります。
防水層の膨れは、防水層下の水蒸気が原因で発生し、放置すると防水機能の低下や雨漏りに繋がる重大なリスクを孕んでいます。
脱気筒は、この水蒸気を効率的に外部へ排出することで、防水層の健全性を保ち、建物を水害から守るための重要な役割を担っています。
建物の防水工法や構造に適した素材と設置場所を選定し、確実な施工と定期的なメンテナンスを行うことが、脱気筒の効果を最大限に引き出し、建物の長寿命化に繋がります。
日頃から建物の状態に注意を払い、異変に気づいた際は専門業者に相談することで、大切な住まいを長く安全に保つことができるでしょう。